時計OEMのMOQ(最小注文数)とは?プロがわかりやすく徹底解説
「自分の想いを込めた、オリジナルの腕時計ブランドを立ち上げたい!」
そんな熱い夢を描いたとき、多くの方が直面するのが「最小注文数(MOQ)」という現実的な壁です。
「何百本、何千本も作らないと、オリジナルウォッチは作れないんだろうか…?」
「始めたばかりで、そんなに多くの在庫を抱えるリスクは負えない…」
「少ない数からテスト的に始めてみたいんだけど、相談すらできないのかな…」
こうした不安から、夢への一歩を踏み出せずにいる方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、時計OEMのプロフェッショナルである私たち「Tokiji」が、特に小規模なブランドやスタートアップの方が最も気にされる**「時計OEMの小ロット生産」**について情報をお届けします。
そもそも「MOQ(最小注文数)」って何?
MOQとは “Minimum Order Quantity” の略で、日本語では「最小注文数」と訳されます。これは、メーカーが製品を一度に生産する上で、最低限必要となる数量のことです。部品の調達コストや、生産ラインを一度動かすための費用などを考慮すると、メーカー側はどうしても一定数以上の注文を受けないと採算が合わなくなってしまうため、このMOQが設定されているのが一般的です。
一般的な時計OEMメーカーの部材別MOQ
| 部品 | MOQ | 備考 |
| ケース | 300個〜 | ベゼル・裏蓋・ガラス・竜頭含む |
| 文字盤 | 50枚〜 | 色単位 |
| 針 | 100本〜 | 形状・色単位 |
| ベルト・尾錠 | 100本〜 | 色単位 素材によりMOQは異なります。 |
OEMに関する、よくあるご質問
- 「MOQが300本であることは理解しましたが、一度に300本分の在庫を抱えるのはスペース的にも、キャッシュフロー的にも厳しいです。例えば、最初に100本だけ納品してもらい、残りの200本を後から生産・納品してもらう、といった分割は可能でしょうか?」
-
お問い合わせいただき、ありがとうございます。300本という数量は、部品の調達や生産ラインの効率を最適化するための「一度のご発注における最小数量」となります。そのため、300本分の部品を先に確保し、製造工程に入らせていただく必要がございます。
しかし、納品方法については柔軟に対応させていただいております。例えば、完成した300本を弊社の倉庫で一時的にお預かりし、お客様のご希望のタイミングに合わせて100本ずつ3回に分けて発送する、といった「分割納品」のサービスもご用意しております。
ただし、保管期間や発送回数によっては別途費用が発生する場合がございますので、まずはお客様の理想的な販売計画をお聞かせいただけますでしょうか。最適なプランを一緒に考えさせていただきます。
- 「予算に限りがあるため、MOQ 300本でできるだけコストを抑えたいです。一方で、デザインにはこだわりたいのですが、価格を下げるための仕様変更にはどのような選択肢がありますか?」
-
ご予算とデザインの両立は、ブランド立ち上げにおいて非常に重要なポイントです。ご私たちはお客様のご予算の範囲内で、デザインの魅力を最大限に引き出すためのご提案を得意としています。
コストに大きく影響する要素は主に、①ムーブメントの種類、②ケースや文字盤の素材と加工方法、③ベルトの種類の3つです。
例えば、
- スイス製の機械式ムーブメントから、信頼性の高い日本製のクォーツムーブメントに変更する。
- 複雑な加工が必要なケースデザインを、よりシンプルで洗練された形状に調整する。
- 本革ベルトから、品質の高いステンレススチールやナイロンのベルトに変更する。
といった調整で、品質を維持しながらコストを最適化することが可能です。
お客様が「絶対に譲れないこだわり」と「調整可能な部分」をぜひお聞かせください。 300本というロットのメリットを活かし、コストパフォーマンスの高いご提案をさせていただきます。
- 「今回、無事に300本を販売できたとして、同じデザインで再度300本を追加で発注する場合、何かメリットはありますか?価格は変わりますか?また、その時の納期は初回より短くなりますか?」
-
リピートでのご注文をご検討いただき、ありがとうございます。もちろん、2回目以降のご発注には大きなメリットがございます。
まず、初回の製造時に作成した金型や設計データをそのまま使用できるため、初期費用(イニシャルコスト)が不要となり、その分、時計1本あたりの単価をお安くご提供できます。
また、製造プロセスや仕様が確定しているため、部品の調達から生産までの流れが非常にスムーズになります。そのため、初回のサンプル製作や仕様決定にかかる時間が短縮され、納期も大幅に早めることが可能です。
最初に300本というロットをご決断いただくことで、その後のブランド展開がよりスピーディーかつ効率的になる、という利点もございます。長期的なパートナーとして、お客様のブランドの成長を継続的にサポートさせていただければ幸いです。
まとめ
MOQは安定した製造ラインの確保に繋がり、過度な少量生産は製造環境に影響を与え製品の品質にも影響を与えます。MOQに対し私たちはお客様のご要望に応じた製造スケジュールを設定し無理のない発売に向けて全力でサポートすることをお約束します。
Contact us
時計のOEM製造やデザインでお悩みの場合は、日本製時計のプロフェッショナルチーム「Tokiji」 へご相談ください。
ヒヤリングを通して最適な製造方法と数量をご提案いたします。

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