なぜ「Made in Japan」が求められるのか
「自社のブランドで、高品質な日本製時計を作りたい」
世界中のマイクロブランドやスタートアップから、私たちは日々多くのお問い合わせをいただきます。
海外の時計愛好家にとって、「Made in Japan」の刻印は単なる製造国の表示ではありません。それは「信頼」「精密さ」「長持ちする品質」の証であり、あなたのブランドの価値を一段階引き上げる強力なマーケティングツールです。
しかし、多くのクライアントが最初に直面する疑問があります。
「具体的にどのような条件を満たせば、文字盤に『Made in Japan』と入れることができるのか?」
本記事では、日本時計協会(JWMA)の基準に基づき、「Made in Japan」の正確な定義と、「Japan Movement」との違い、そしてそれが製造コストにどう影響するのかを包み隠さず解説します。
「Made in Japan」と刻印するための2つの絶対条件
「日本のムーブメント(SeikoやMiyota)を使っていれば、日本製と呼べるのではないか?」
これは非常によくある誤解です。
実は、ムーブメントが日本製であるだけでは、時計本体に「Made in Japan」と表記することは法的に認められません。
日本製と表記するためには、以下の2つの条件を同時に満たす必要があります。
条件①:ムーブメントが日本製であること
時計の心臓部であるムーブメントが日本で製造されている必要があります。
条件②:組立工程(Assembly)が日本国内で行われていること
ここが最も重要なポイントです。ムーブメントをケースに収め、針を付け、最終的な完成品として組み立てる工程(ケーシング)が日本国内の工場で行われていなければなりません。
つまり、「日本のムーブメントを使い、日本の職人が日本国内で組み立てた時計」だけが、堂々と「Made in Japan」を名乗ることができるのです。
「Japan Movement」と「Made in Japan」の決定的な違い
市場には「Japan Movt(Japan Movement)」と書かれた時計も多く存在します。これと「Made in Japan」は何が違うのでしょうか?
分かりやすく比較してみましょう。
| 表記 | ムーブメント製造地 | 組立地 (Assembly) | 特徴 |
| Made in Japan | 日本 (Japan) | 日本 (Japan) | 最高品質の証。ハイエンドラインや限定モデルに最適 |
| Japan Movt | 日本 (Japan) | 海外 (China etc.) | コストパフォーマンス重視。ムーブメントの信頼性は担保される |
多くのファッションウォッチは、コストを抑えるために「Japan Movt」の方式を採用しています。
しかし、あなたのブランドが「クラフトマンシップ」や「プレミアム感」を売りにしたいのであれば、組立地も日本である「Made in Japan」を選ぶことには大きな意味があります。
コスト(価格)への影響
ここで、誰もが気になる「コスト」について正直にお話しします。
組立を中国で行う(Japan Movt)場合と、日本で行う(Made in Japan)場合、製造コストには明確な差が出ます。
一般的に、日本での組立コストは、海外での組立に比べて高くなります。
なぜコストが上がるのか?
- 人件費と技術料:
日本の熟練した職人による作業は、高い技術料を伴います。 - 厳格な品質管理(QC)
日本の組立工場では、ゴミや埃の混入を防ぐクリーンルームでの作業や、防水テスト、ランニングテストの基準が非常に厳しく設定されています。 - 小ロット対応の手間
丁寧な手作業を中心とするため、大量生産型の海外工場とはプロセスが異なります。
それでも選ばれる理由
コストは上がりますが、それ以上に「販売価格(リテールプライス)」を高く設定できるというメリットがあります。
エンドユーザーは「Made in Japan」の価値を理解しており、それに対して対価を支払う準備ができています。
よって、ブランド価値の維持や認知向上に大きく貢献しています。
まとめ:あなたのブランドにはどちらが最適か?
- 価格競争力を重視し、手頃な価格で大量に販売したい
👉 「Japan Movt」(組立は海外)が適しています。 - ブランドのストーリー性、品質へのこだわり、高価格帯のコレクションを作りたい
👉 「Made in Japan」(組立も日本)が間違いなく最適です。
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