OEMで選ぶべき日本製ムーブメント（MIYOTA・SII）徹底ガイド
オリジナル時計を製作（OEM）する際、デザインと同じくらい重要なのが「ムーブメント（駆動装置）」の選定です。
ムーブメントは時計の精度や寿命、そして価格を左右する「心臓部」。
特に日本製ムーブメントは、故障率の低さと精度の高さ、そしてコストパフォーマンスの良さから、世界中の時計ブランドで採用されています。
今回は、OEMで代表的な日本の2大メーカー「MIYOTA（ミヨタ）」と「SII（セイコーインスツル）」の主力ラインナップと、その特徴をご紹介します。
MIYOTA（ミヨタ）
シチズン時計グループのムーブメント製造会社です。世界中のファッションウォッチから本格的な機械式時計まで、圧倒的なシェアを誇ります。精度の高さと薄型設計に定評があります。
SII / TMI（セイコーインスツル）
セイコーグループのムーブメント製造・販売会社です（外販用はTMIとも呼ばれます）。堅牢で力強いトルク（針を動かす力）が特徴で、ダイバーズウォッチなどにも多く採用されています。
近年、マイクロブランドやクラウドファンディングで人気の「機械式時計」。OEMでよく使われるのは以下のモデルです。
MIYOTA【9015】（90シリーズ）
ワンランク上の高級時計を作りたいならこれです。スイス製ムーブメント（ETA社など）の対抗馬として開発されたハイビートモデルです。
SII【NH35A】（通称：NH35）
「世界で一番使われている機械式汎用ムーブメント」と言っても過言ではない名機です。
- 特徴
- ハック機能付き: 時間合わせの際に秒針が止まる機能。
- 手巻き機能付き: リューズを回してゼンマイを巻ける。
- 耐久性: 非常にタフで、メンテナンスもしやすい。
- おすすめの時計
ドレスウォッチ、高級ラインのフラッグシップモデル
- 特徴:
- 薄型設計: ケースを薄くエレガントに仕上げられます。
- ハイビート（8振動）: 秒針の動きが非常に滑らか（スイープ運針）で、高精度。
- 美しい装飾: 裏蓋がガラスの「シースルーバック」にした際、機械の仕上げが美しく見えます。
- おすすめの時計
ダイバーズウォッチ、日常使いのスポーツウォッチ
MIYOTA【2035】
「THE・スタンダード」。世界で最も普及しているクォーツムーブメントの一つです。
- 特徴
- 圧倒的なコストパフォーマンス: 安価でありながら、日本製ならではの高い信頼性と精度。
- 電池寿命: 約3年と長持ち。
- おすすめの時計
ノベルティ、レディースウォッチ、シンプルな3針時計
SII【VK63 / VK64】（メカクォーツ）
近年、クロノグラフ（ストップウォッチ付き時計）で爆発的な人気を誇るハイブリッドムーブメントです。
- 特徴:
- メカクォーツとは: 動力は電池（クォーツ）ですが、クロノグラフの計測機構に機械式のパーツを使っています。
- 操作感: ボタンを押した時の「カチッ」というクリック感や、リセット時に針が瞬時に戻る「帰零（きれい）」アクションが機械式そのものです。
- おすすめの時計
レトロなクロノグラフ、車や飛行機モチーフの時計
まとめ：ターゲットに合わせて心臓部を選ぼう
- 「とにかく高品質でコスパの良い機械式を作りたい」 ➡️ SII NH35
- 「スイス製に負けない高級感を出したい」 ➡️ MIYOTA 9015
- 「クロノグラフでマニアを唸らせたい」 ➡️ SII VKシリーズ
- 「安価に大量生産したい」 ➡️ MIYOTA 2035
ムーブメントの選定は、時計の販売価格やターゲット層に直結します。
「こんな機能を持った時計を作りたい」「予算はこのくらいで抑えたい」など、ざっくりとしたイメージでも構いません。
プロの知見で、最適なスペックをご提案します
「作りたい時計のイメージはあるけれど、どのムーブメントを選べば予算内に収まるかわからない」
「MIYOTAとSII、どちらが自分のブランドコンセプトに合うだろうか？」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。
私たちは長年の製造実績から、各ムーブメントの特性や調達コストを熟知しています。
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